【読書感想文】中山可穂 ゼロ・アワー

中山可穂さんの作品。ゼロ・アワー 趣味の時間
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こんにちは!わとそんです!

中山可穂さんの「ゼロ・アワー」を読みました。

今までの作品が「女性同士の濃厚な恋愛小説」だったのに対して、この作品はノワールとなってまいす。

作者は思い切った方向転換をしたな!と唸ってしまいました。叶わない恋に焦がれる女性たち。それが結ばれてからの濃厚な時間と葛藤の物語が多かったのですが、ゼロ・アワーは全く違います。

不幸な事件によって家族をなくした少女は、遠くブラジル・ブエノスアイレスでクリーニング屋を営む祖父に育てられます。穏やかに日々が過ぎていきますが、ある日、少女は祖父の秘密を知ってしまいます。そしてそのことが、少女が家族の復讐を決意する大きなターニングポイントになります。

一方、少女の家族を殺した暗殺者は、少女を取り逃がしてしまったことから海外での生活を余儀なくされます。彼の側には、少女に飼われていた猫がいました。

彼が再び暗殺者としての仕事を得たとき、ふたりの運命が大きく動き始めるのです。

中山可穂さんの作品は、どれも舞台となる国がとても魅力的に表現されています。ゼロ・アワーではブエノスアイレスが舞台ですが、ミロンガの活気や湿度のある空気感が肌で感じられるようです。また、物語終盤で繰り広げられる、少女と暗殺者のやりとりは息をのむほどです。

タイトルの「ゼロ・アワー」は有名なバンドネオン奏者、アストル・ピアソラの作品名です。物語の中にもピアソラの作品が出てくるので、気になった方はぜひ聴いてみてください!

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